診察室の壁に尊敬する鎌田實先生から送って頂いたFAXが貼ってあります。開業したことをお知らせしたのですが、お祝いに送って下さいました。懐かしい自体です。とても感激でした。

私は平成14年から15年にかけて、長野県茅野市にある「諏訪中央病院」で地域医療や救急医療、在宅医療の勉強をしました。ちょうどその時の院長が鎌田先生で、当時「がんばらない」という本を出版されたばかりのころでした。穂別町の地域医療に4年間取り組んで、どうもすっきりしないというか、うまくいかないというか、そのような感じを持ってずっともやもやしている頃でした。 一度どこかでもう少し勉強したいなあと思った時に思い浮かんだのが諏訪中央病院でした。地域医療の病院としては佐久総合病院という超有名な病院があるのですが、その病院と山を挟んで反対側にあるのが諏訪中央病院。ここも鎌田先生などががんばって地域医療のお手本のような病院として結構有名でした。

話しは少し戻りますが、私が平成10年に穂別に就職した一番の理由は当時の穂別病院の院長の存在でした。北海道では遅れていた保健・医療・福祉の一体化(今で言う地域包括医療)を早い時期に取り入れ、町の医療を一変させた先生です。すごい先生が北海道にいるなあと思って就職したのですが、実はその院長は諏訪中央病院の副院長だった方で、鎌田先生とずっと地域医療を創って来た方でした。結局その院長は私が就職して1年で辞められてしまったので、私は穂別に取り残される形になったのですが、その先生のご紹介も頂き、諏訪中央病院に行くことが出来ました。 今でも覚えているのですが、諏訪に就職の相談でメールを出したところ鎌田先生自ら電話して下さり、感謝感激の思いでお話をさせて頂きました。「どうぞ来て下さい!」優しいおひげの笑顔が浮かんで来ました。

諏訪中央病院の内科は専門の先生もたくさんいらっしゃるのですが、内科全体でカンファレンスなどもしていて、とても勉強になったことを覚えています。更にちょう私が就職したのは鎌田院長肝いりで「総合診療グループ」というのを立ち上げた時で、毎週総合診療グループの勉強会にも鎌田先生は参加して下さっていました。 在宅医療にも積極的に取り組んでいて、在宅でお看取りするという経験もさせて頂きました。そこでの体験は私を在宅医療の素晴らしさを改めて実感させてくれました。 また地域医療においては「地域ケア」という概念を実感することが出来ました。地域に開かれた地域密着型のグループホームやディサービスなどを見学し、田舎であってもお年寄りが生き生きと地域で生活している様子を見ることが出来ました。「小規模多機能」という言葉を聞いたのもその時が始めてでした。

私はその後、平成15年秋に穂別に戻り、町立病院を診療所に転換するという大きなプロジェクトに関わることになりました。地域医療をどう守るか、地域の方々の生活をどう支えるかをずっと考えて来たような気がします。地域の方々が穂別に住んでいてよかったなと思って下さることが一番と思って取り組んできました。そしてお手本はいつも諏訪中央病院とその周辺の地域医療・福祉でした。穂別では医学生や医師の研修の場として人材を育てることも積極的に取り組みました。その中から穂別に就職してくれた先生もおり、今も穂別で活躍して下さっています。また住民も巻き込んで、地域医療のそれなりの形をつくることが出来たと思っています。もちろん完全にはほど遠く、積み残しも多いまま穂別を去ることになりましたが、幸い診療所化の時に一緒に働いてくれたとても信頼できる先生が所長を引き受けて下さったので安心して穂別を去ることが出来ました。これからはその先生の元でもっと熟成した地域医療が展開されるものと期待しています。

私は札幌で開業をしましたが、やはり都会でも地域は存在するわけで、それゆえ地域医療も存在しています。どのようにこの宮の沢の地で地域医療を展開していけばよいのかまだ始まったばかりでわからない部分も多いのですが、今後このこともしっかりと意識してこの地で医療を色々な方々と連携をとりながら取り組んでいきたいと思っています。

鎌田實先生のオフィシャルサイト

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