先日札幌で老健やグループホームなどを運営している平和の杜グループで認知症についての講演を頼まれて行って来ました。お世話になっている岩見沢のささえるクリニックの永森先生の従姉妹が勤めておられるグループで、その関係で頼まれました。




普段からケアをされている方に何を話すか結構迷いました。ユマニチュードとか流行りのこともいいけどいろいろと認知症ケアを勉強すると共通項があってそれはいかに認知症の方を理解できるか、そしてどれだけタッチ(触れる)できるかということのような気がします。

例えば、パーソンセンタードケアはその方を徹底的に知る事、タクティールケアは触れる事、ユマニチュードでも触れること、相手の立場になって考える事を強調しています。バリデーションも認知症の方の側に立ってなぜそのような症状がでるのかということを考えることから始まります。

介護界のカリスマ三好春樹先生も以前、認知症ケアについていろいろな名前の付いたケアに飛びつく風潮を戒めておられました。基本は食事、排泄、入浴のケア。これらの基本ケアをしっかりと行えなければどんな方法も意味がない。そして認知症のケアについても基本があって、いろいろな名前のついたケアの方法もその基本さえおさえておけば当たり前のことであるということをおっしゃっていました。

こういった共通項を考えると実は、大切なのは「ものがたり」と「スピリチュアルケア」だと私は思っています。 ということで、今回の講演では、ケアとして表面上のスキルだけ学んでもダメかなと思い、三好春樹さんの認知症ケア、小澤勲先生の「痴呆を生きるということ」という本からまとめてみました。他にコウノメソッドについても簡単に触れました。




小澤先生の本は今から11年ほど前に書かれた本で「認知症」ではなく「痴呆」となっていますが、内容は古さを感じず、むしろ認知症のケアのための本質をついていると思います(続編として物語としての痴呆ケアという本もあります)。 認知症の方がどういう世界を生きているか、そしてなぜ周辺症状につながってしまうのかとても勉強になります。

こうやって人に話すっていいですね。自分なりに知識を整理することができました。

次は「物語としての痴呆ケア」と「スピリチュアルケア」ですね。先日の富山の佐藤先生のナラティブのご講演でも認知症ケアについて少し触れられて、最近流行のあのユマニチュードについても「当たり前のこと」と言われておられました。確かに御意です。

あとスピリチュアルケアでは、洞爺温泉病院の緩和ケアの岡本先生の本が素晴らしいです。これは緩和ケアだけではなくケア全体に適応できる内容です。簡単に言えば(簡単にいいすぎかもしれません、岡本先生すみません)、相手のことを大切な存在として常日頃からしっかりとケアをするということです。触れることも当然だと思います。ハグしたってしっていいですよね。今回こちちは時間がなく、軽くしか触れませんでしたが、今後しっかりまとめてお伝えできる機会があればいいなと思っています。岡本先生にも一度講演を賜りたいと思ったりもしています。


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